ネット契約詐欺に引っかかりそうになった話

先日、自宅に訪問があり、「マンションのインターネット回線の工事をしたのでモデムを交換するとネットが早くなる」という旨の話がありました。その内容自体には特別不審な点がなかったので話を進めたのですが、モデム交換の日程を決める段階で氏名と連絡先に加えて生年月日を聞かれたのでこれは怪しいな、と思っていたところ、業者に渡されたパンフレットを見て唖然。

単なるモデムの交換ではなく、新規のプロバイダ契約と思われるパンフレットでした。
調べてみると「光コラボレーション」なる仕組みを利用した詐欺(?)の一種の模様。
今回はその件について書いてみます。

↑ 広告じゃないです(笑)光コラボレーションのバナー。

さて、そもそもアポなしの自宅訪問に応じるべきではない、と責められても文句は言えないでしょう。
よほどオープンな人間関係を持っている人を除いて、1 人暮らしの大学生の自宅をアポなしで訪問してくるのは宗教の勧誘か NHK ぐらいです。居留守で無視しておけばいいんです。友人なら用があれば LINE でメッセージが来ますからね。

しかし呼び鈴を鳴らされるとついつい気になってしまうもの。
宗教の勧誘だったらすぐに興味がない旨を伝えてお引き取り願おう、とか思いながら玄関に出ました。
歳は 30 代後半ぐらいでしょうか。NTT を称する男性が立っていました。

男性によれば、8 月にマンションのインターネット回線の工事を行なった、とのこと。これまではマンションに引かれた大元のインターネット回線から各部屋に分配していたので深夜などアクセスの集中する時間帯では回線が遅くなっていたが、この工事により各部屋に直接インターネット回線を引くことで回線が早くなったということを図に描いて説明されました。

そしてすでに工事は済んでいるのでモデムを交換するだけで良い、と言われました。モデムを交換すれば今より月々のインターネット料金が安くなる、ということも言っていたような気がします。また、ぼくは今のマンションには 3 月に入居したのですが、この男性が「以前は女の子でしたけど最近入られた方ですか?」とぼくの入居前の事情も知っていた様子。これもこの男性を信用してしまった理由の 1 つです。

そういうわけで、都合の良い時にモデムを交換するので氏名と連絡先を教えて欲しいと言われ、教えました。この時、念入りに氏名のフリガナについても訊かれましたが、ほんのちょっとだけ不審に思いつつも、電話で客の名前を読み間違えては失礼だからだろう、程度の感覚でした。さらに「このご時世ですから本人確認をさせていただいてます」と、生年月日まで訊かれました

生年月日を訊かれたことで、やっと「何かおかしいな」という思いが芽生えました。しかし「あとで工事の件をマンションの管理会社に確認してみるか」程度の考えでした。正直甘かったと反省しています。もっと言えば、最初に NTT を名乗った時点で名刺を要求するなりしておくべきだったのですが。

結局、モデム交換の日程はまた後日連絡するとのことでパンフレット 1 枚だけを渡されて、その日は帰って行きました。律儀にも、パンフレットの裏面にその男性の携帯電話番号と会社の電話番号を書いてくれました。帰り際に再度、モデムを交換することで回線が早くなる旨を説明されました。

業者が帰った後、不審に思う点も多かったので渡されたパンフレットを確認。
するとそこには BIGLOBE の文字が。
「してやられたな」と思いました。

勘違いしないでいただきたいのは、BIGLOBE 自体は正規のインターネットサービスプロバイダだということです。しかし NTT の業者が、モデムの交換をするだけなのに他社プロバイダの契約をさせるはずがありません。

すぐにマンションの管理会社に連絡をしました。
8 月に行われたという工事の事実確認を行うためです。この時点で 9 割 9 分この契約が詐欺だということはわかっていましたが、念のため。

すると案の定、そのような事実はないとのこと。
証拠もとれたので、先ほどの男性にキャンセルの連絡をする前にネットで今回の事例について検索し、対応策を含む情報収集を行いました。以下の情報が得られました。

・フレッツ光の「光コラボレーション」という仕組みを利用したものである。
・「転用番号」があれば他のプロバイダとの契約ができてしまう。
・そして「転用番号」は氏名や生年月日などの情報さえあれば、なりすまし電話で簡単に取得されてしまう。
・現在使用中のプロバイダとは別に BIGLOBE と契約することで「二重契約」状態になり、月額料金は増える。
・もちろん解約には違約金がかかる。別途工事費を請求される場合も。

軽く調べただけなので細かい点に間違いはあるかもしれませんが、今回の訪問はおそらくこの手法の詐欺にあたる可能性が高いです。
すぐにパンフレット裏面に書かれた 2 つの連絡先に電話を入れましたが、どちらもつながらず。

慌てて NTT に連絡してみましたが、受付時間外でした。と言うか受付時間が 9 時 〜 17 時ってそんな時間に連絡できるわけがないだろう、という感じもしますが。土日祝日も対応しているのが唯一の救いでしょうか。何はともあれ受付時間外ではどうしようもないので、連絡は翌日に回しました。

幸いにも、1 時間後ぐらいに先ほどの男性から折り返しの電話がかかってきました。
そこで「これ、詐欺ですよね?」「BIGLOBE って書かれてますけど、このまま契約すると今使ってるプロバイダと二重契約になりますよね?」と問い詰めましたが、相手はぼくの気迫に多少ビビった様子で「二重契約にはなりません。今お使いのプロバイダは解約されます」とはっきりしない声での返答。しかし今使っているプロバイダを解約すれば違約金がかかりますし、何より詐欺師がわざわざご丁寧に解約してくれるとは思えません。

「今回の件はキャンセルでお願いします」とはっきり伝え、了承を得て電話を切りました。
少しでもキャンセルを拒否されそうであれば警察に連絡しようと思っていましたがそんなことはなく。あっさりとキャンセルできました。

結果的にはこの時点で今回の件は解決だったんですが。

念には念を入れて、後日 NTT に連絡を入れました。キャンセルを伝えたとは言え、既にこちらの個人情報を伝えているわけですから、その気になれば強引に契約を進めることができてしまいますからね。今回の件についての状況の報告と、転用番号を取得されていないかの確認、今後 転用番号の取得申請があれば拒否してほしい旨を伝えました。残念ながら転用番号が取得されたかどうかは確認できない、今後の対応についても拒否を約束することは難しい、とのことでしたが、万が一業者が強引に契約を進めていた場合の対応についてアドバイスをいただきました。また、NTT が何の連絡もなく各家庭を訪問することはない、とのことでした。

1 週間後ぐらいに、BIGLOBE から案内が届きました。
インターネットのユーザー ID とパスワードが書かれている契約書類です。この時は業者が強引に契約を進めたのだと思いましたが、実際にはキャンセルされた後に行き違いで案内が届いてしまったようです。しかしそうと知らないぼくは焦って BIGLOBE にキャンセルの電話を入れる羽目に。

BIGLOBE の全くつながらない有料ダイヤルで 15 分ほど待ち、キャンセルを伝えました。すると既にキャンセルされているとのことで、事情を話すと丁寧に謝罪されました。

これで完全に終わりだったのですが、一応 警察にもこの件について相談をしておきました。
現状だけで詐欺の認定は難しいが、このような相談を受けたことは記録しておきます、とのことでした。また、今後困ったことがあれば消費者センターに連絡を入れてください、と言われました。

……そんなわけで、詐欺に遭いそうになった話でした。
正直自分がこのような手口に引っかかってしまうとは思っていませんでした。
仮に「月額料金が安くなる」という点を前面に押し出されていればもっと早い段階で疑っていたと思いますが、料金についてはほとんど触れず「工事によって回線が早くなったのでモデムの交換を行いたい」という話だったのが今回のポイントですね。生年月日を訊かれなければ不審に思うこともありませんでしたし、何より BIGLOBE のパンフレットを渡されていなければ詐欺だと確信することもなかったかもしれません。

業者についても、実際に連絡のつく電話番号を教えてくれた点、キャンセルを伝えた際に素直にキャンセルできた点が幸いでした。契約だけ済ませてあとはトンズラ、どれだけ電話しても全くつながらない、ということもあるようです。比較的良心的な詐欺師が相手で助かりました(?)
そもそも本当に詐欺だったかどうかは断定できませんが、少なくとも回線が早くなる工事を行なったという事実はないので、この点で嘘をついていることになります。

結論として、やはりアポなしでの自宅訪問は無視するに限る、ということでしょうね。
あと、何らかの個人情報を与える前に必ず相手の身元を確認することでしょうか。
今回は契約が成立する前に気付いて対応できましたが、一度契約が成立してしまうと面倒なことになります。
皆さんも光コラボレーションの詐欺には気を付けてください。

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